建設業許可（経審）
ありがとうございます。大阪府四條畷市の作 行政書士事務所です。
前回は決算変更届のさせていただきましたが、今回は経営事項審査のおはなしさせていただきます。
経営事項審査とは、業者さんの施工能力、財務の健全性、技術力を判断するために、通信簿みたいなも
のをつけるんです。科目みたいなものは完成工事高、財務状況、技術者数等を総合的に判断します。
許可業者さんすべてが受信する必要はなく公共工事を国や地方公共団体直接請け負う建設業者さんは受
信する必要があります（建設業法27条の23）
建設業を営む者
↓ ↓
建設業の許可を受けてた者 許可を受けていない者
↓ ↓
公共工事の入札 希望しない者
に参加希望する者
↓
| 経営事項審査 総合判定値 Ｐ点 （経営規模等：X、Z、W点） （経営状況分析：Y点） |
| 国・地方公共団体等の発注者 発注者の主観的事項による評価を加えて 点数によるランク付けなど。 |
こんな感じです。
次に審査項目のお話です。
総合評定値（P）＝（X1）×0.25＋（X2）×0.15＋（Y）×0.20＋（Z）×0.25＋（W）×0.15
となっています。
大阪府で行うもの
| 項目区分 | 審査項目 |
| 経営規模 X1 | 年間平均完成工事高 |
| 経営規模 X2 | 自己資本額 平均利益額 |
| 技術力 Z | 技術職員数 元請完成工事高 |
| その他の審査項目 W （社会性等） | 労働福祉の状況 建設業の営業継続の状況 防災活動への貢献の状況 法令遵守の状況 建設機械の保有状況 国際標準化機関が定めた規格による登録の状況 若年の技術者及び技能労働者の育成及び確保の状況 新規若年者技術職員の育成及び確保の状況 |
| 経営状況 Y | 純支払利息比率 負債回転期間 売上髙経常利益率 総資本売上総利益率 自己資本対固定資産比率 自己資本比率 営業キャッシュフロー 利益剰余金 |
総合評定値を見たらわかるようにかける比率が違うことがわかると思います。
全部均等にチカラをかけるのはあまりいい作戦ではないと思いますので
X1,X2,Z,Y,Wの評価項目のポイントです。
X1＝上の図に書いてる通り完成工事髙の項目なので少しでも（1000円以上になります。）
大きい方が点数がよくなります。少しでも完成工事高を上げる方法として
完成工事高の振り替え（算入）があるので少しルールの説明をします。
完成工事高の振り替え（算入）
ルール
振替先・振替元の業種とも、申請時に建設業の許可が必要です。
振替先の業種は、経営事項審査を受けることが出来なくなります。
全業種受信しても、もったいないので（お金も点数も）必要ない業種は算入する方がいいかも
しれません。
が、どれでも好きなように算入はできないんです。
できるパターン
1．一式工事業への専門工事業の振り替え（算入）
一式工事 ← 専門工事
・審査対象建設業が土木一式又は建築一式であるときは許可を受けて建設業のうち一式工事以外の
専門工事（審査対象を除く）に係る建設工事の年間平均完成工事高を、その内容に応じて当該一式工事
のいずれかの年間平均完成工事高に含めることができる。とあるんです。
必要のないものをそのまま受信するのはもったいないですね。
もう1つルールがありまして
専門工事の完成工事高については審査対象年だけではなく直前2年又は3年分を土木一式又は建築一式の
いずれか一方の全額算入する必要があります。（2年か3年を選ぶと思いますが今年だけ算入したいはダ
メなんです。）
つぎの専門工事から専門工事のパターンと違うんです。
（一式工事業へ算入できる専門工事）
| 土木一式 | ← | 土木工作物の建設に関連する工事 |
| 建築一式 | ← | 建築物の建設に関連する工事 |
振替元の業種は経営事項審査を受けることができません
2．専門工事への他の専門工事の振替（算入）
専門工事←専門工事
・審査対象建設業が一式工事業以外の専門工事である場合いおいては、許可を受けた建設業のうち専門
工事（審査対象を除く。）その建設業の性質の応じて当該専門工事に係る建設工事の完成工事高に含め
ることができます。
・この場合は専門工事の完成工事高については、年単位で完成工事高を積み上げることができます。
審査対象年度は積み上げて、直前2年は積み上げないなど選択できます。
（専門工事へ参入できる他の専門工事）
| とび・土工・コンクリート | ← → | 石、造園、解体 |
| 電気 | → ← | 電機通信、消防施設 |
| 管 | → ← | 熱絶縁、水道施設、消防施設 |
| 塗装、屋根 | → ← | 防水 |
振替元の業種は経営事項審査を受けることができません。
あと1つ分割による他の工事業への振替（算入）があります。
これはあまりないパターンなので、算入可能かどうかについては事前に相談が必要です。
1．一式工事の分割による専門工事への算入
・一式工事（審査対象を除く）に係る建設工事の完成工事高を専門工事の完成工事高として分割分類し
て許可を受けた専門工事の完成工事高に加えて申請することができます。
・この場合専門工事の完成工事高については、年単位で完成工事高を積み上げることができます。
・分割分類した一式工事の完成工事高については、工事種別完成工事高付表に記載のとおりに1以上の
専門工事へ算入できます。
一式工事
↓ ↓ ↓
専門工事 専門工事 専門工事
みたいな感じです。
2．専門工事の分割による他の専門工事への算入
・専門工事（審査対象を除く）に係る建設工事への完成工事高についても、1と同様に許可を受けた1つ
以上の他の専門工事の完成工事高に加えて申請することができます。
専門工事
↓ ↓ ↓
専門工事 専門工事 専門工事
こんな感じです。
振替元の業種は、経営事項審査を受けることができませんので注意してください。
最後に付表の説明です。見た方がわかると思うので。
（工事種類別完成工事高付表）
とび・土工・コンクリート工事を、土木一式工事算入するパターンです。
工事種類別完成工事高付表
申請者 ABC建設株式会社
| 審査対象建設業（受信する業種） | 完成工事高（算入する業種） |
| ・審査対対象事業年度 ○年○月～○年○月 土木一式工事 30000千円 うち元請 10000千円 ← 計 30000千円 うち元請 10000千円 | 土木一式工事 20000千円 うち元請 5000千円 とび・土工工事業 10000千円 うち元請 5000千円 計 30000千円 うち元請 10000千円 |
以上でX1のせつめいを終わります。
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